会社売却後の人生は?役員・従業員への影響やその後の人生のよくあるパターンを紹介
会社売却後の人生まとめ
  • 会社売却後の人生には「役員や代表としてそのまま働く」「リタイアして余暇を楽しむ」などの選択肢がある
  • 会社売却後は経営という責任から解放される一方で、やりがいがなくなる可能性があるなどのデメリットもある
  • なお、会社売却後の人生について考える前に自社の売却価格を調べてM&Aの検討を進めることがおすすめ
  • 売却価格が低い場合はM&Aしない方が良い場合もあるため、ひとまず売却価格の目安を把握しておくことが重要

なお、M&A仲介サービスを提供している仲介会社は複数存在し、得意とする分野・業界も会社によって異なります。

M&Aが成功するかどうかや会社の売却価格は仲介会社によって大きく左右されるため、複数の仲介会社で見積もりを取り、比較・検討することが重要です。

忙しく複数の仲介会社で見積もりを取る余裕がない場合は、M&A仲介会社の一括見積もりサービスの利用をおすすめします。

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会社売却後の人生はどうなる?よくあるパターンを紹介

会社売却後、経営者の人生がどうなるかは状況や本人の希望、買い手との交渉によって変わります。

以下では、会社売却後の経営者の人生について、よくあるパターンを紹介、解説します。

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役員や代表としてそのまま働き続ける

会社売却後、役員や代表としてそのまま働き続けることができる場合があります。

上記のような場合は、本人の希望や買い手側からの要望で会社に残るケースが多いです。また、会社売却時の契約によって、立場や任期が指定されるケースもあります。

このような場合、働き方は売却前と大きくは変わらない可能性があります。

しかし、会社を売却したことで議決権は譲渡しているため、役員や代表としてその後ずっと残り続けることができる保証はありません。早い段階で、退任後の人生についても計画を立てておくと良いでしょう。

山本正樹
山本正樹/M&Aアドバイザー【記事監修者】

ロックアップ期間以降については、買手側の意向次第になります。あくまで企業と役員との関係は委任関係になりますので、双方の合意が必要となります。

顧問として会社との関係を保つ

会社売却後も、顧問として会社との関係が続くケースがあります。会社売却後の引き継ぎが必要となる場合に、このような形を取る場合があります。

また、経営者本人が働き続けることを望む場合に、顧問という立場が与えられるケースもあるでしょう。

会社売却後も経営者が顧問として会社に関わり続けることで、以下のようなメリットが得られる可能性があります。

  • 人材流出のリスク低下
  • 取引先との関係悪化のリスク低下
  • スムーズな業務引き継ぎ

このような場合、経営者が顧問として会社売却後も働くことが、会社売却時の契約書に記載されることが一般的です。

山本正樹
山本正樹/M&Aアドバイザー【記事監修者】

一般的には買収企業は、譲渡オーナーに譲渡後も会社に関与して残ってほしいという希望をよく聞きます。しかし、報酬や関与度によってそのあたりは応相談となるため一般的にとは言いにくい部分があります。

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リタイアして余暇を楽しむ

会社売却後、経営者はリタイアして余暇を楽しむことができる場合もあります。

これまで忙しく働いてきた分、ゆっくりとした時間を家族と過ごしたり、趣味の時間を持ったりしたいと考える経営者の方は多いでしょう。

会社を売却した際に得た売却益を生活費に充てたり、投資に回したりすることで、経済的に安定した生活を送ることができる可能性もあります。

新しく会社を立ち上げる

会社売却後、新しく会社を立ち上げる経営者もいます。

会社を売却することで、ある程度まとまった資金が得られ、それを元手として新しい会社の資金にできる可能性があります。

これまでのノウハウを活かし、似た事業を始める場合もあれば、全く別の業種や業界に足を踏み入れる場合もあるでしょう。

注意点として、会社を売却する際には、競業避止義務が契約によって課される場合があります。

競業避止義務とは、売却した会社の事業と似た事業を再度行い、買い手企業に不利益をもたらすことを禁止する義務を指します。

そのため、会社売却後に新しく会社を立ち上げる際には、始めることのできる事業に制限が課される場合がある点に留意する必要があります。

山本正樹
山本正樹/M&Aアドバイザー【記事監修者】

競合避止義務は一般的には、付される条件ではあるものの実は強制的に付されるものではありません。会社法上規定されている20年は短縮することも可能ですし、エリアを絞る事も、競合避止義務を課さないことも可能です。
M&A後のやりたいことが競合避止義務に触れるかもしれない可能性を感じたならば、一度交渉してみた方がいいでしょう。

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就職する

会社を売却した後、就職することを選ぶ経営者もいます。経営者としての重い責任や重圧から解放されたいが、働くことによる充実感は得たい、といった場合にこのような選択肢があります。

会社を売却した際の売却益が少なく、生活のために安定した収入が必要なために就職する、といった場合もあるでしょう。

会社売却の経営者のメリット・デメリット

以下では、会社を売却するメリットやデメリットについて解説します。

会社売却の経営者のメリット・デメリット

メリット

銀行借入れの個人保証が解除される。

銀行借入れの個人保証が解除される点は、会社売却のメリットと言えます。会社の経営には大きな責任が伴うため、ストレスやプレッシャーを強く感じている経営者の方は多いです。

また経営者は、ミスをしたりトラブルが起きたりした際に、損害賠償などの責任が問われる可能性があるというリスクを抱えています。また、借入金を法人が返済できない場合の個人保証も存在しています。

これらの責任やリスクを会社売却によって回避できれば、安心感を持って生活できるようになり、ストレスが減ることを期待できるでしょう。

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売却に伴う収益が見込める

会社売却によって、収益が得られることを見込めます。得ることができた収益は、リタイア後の生活に必要な費用や、新しい事業を始めるための資金に充てることができます。

会社を売却することで得られる収益の額は、状況によって大きく異なります。しかし簡易的な目安として、会社の資産額に営業利益の数年分を足した額を売却価格と見なす場合があります。

会社を売却した際の収益を具体的に知りたい場合は、M&A仲介業者などに見積もりを依頼することをおすすめします。

山本正樹
山本正樹/M&Aアドバイザー【記事監修者】

売却額の計算方法として基本的には、時価純資産+営業権による方法か、EBITDAのマルチプル法が主流だと感じます。

自由な時間が生まれる

自由な時間が生まれることは、会社売却のメリットと言えます。会社を売却することで、経営者としての責務や業務から解放されることで、自分の時間を持つことが可能になるでしょう。

自由な時間を家族と過ごしたり、趣味のために使ったりできるでしょう。また、新しい事業に挑戦するために、自由な時間を用いる方もいます。

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会社をたたむ必要がなくなる

会社を売却することで、会社をたたむ必要がなくなる場合があります。後継者が見つからない場合や、経営が苦しい場合など会社をたたむことを検討している経営者の方は多くいます。

会社を売却することで、後継者問題が解決できる可能性があるでしょう。

また会社を売却することで、買い手企業の支援を受けることができ、経営を立て直すことができたケースもあります。

会社を残すことができれば、従業員の雇用の心配がなくなる可能性があります。また、取引先や顧客に迷惑を掛けてしまうことを避けられます。

山本正樹
山本正樹/M&Aアドバイザー【記事監修者】

いわゆる再生案件のM&Aについても事例は数多く存在します。しかし、M&A仲介会社としては手数料がとれる見込みがないため表立っての支援や、開示があまり行われていない傾向にあります。
また、債権者にご迷惑をかける観点から情報開示はごく一部のように感じますが、私の体感では氷山の一角でかなり相談数は多かったです。

デメリット・注意点

やりがいがなくなる

会社を売却することで、やりがいを無くしてしまう可能性があります。これまで心血注いできた会社が第三者の手に渡ってしまうことを寂しく感じる場合もあるでしょう。

しかし会社を売却して出来た時間を有効に用いることで、新しいやりがいを見つけることができる可能性があります。

経営者として忙しく働いていた間は後回しにしてしまっていた、趣味の時間や家族と過ごす時間を取ることができるでしょう。

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目標の売却額に届かない場合がある

会社を売却しても、目標の売却額に届かない場合がある点に注意が必要です。

会社の売却額は、交渉によって決まります。状況やタイミングによっては、想定よりも売却額が低いということもあり得ます。

そのような事態を避けるため、まずは自分の会社を売却する際の適切な相場を調べることをおすすめします。複数のM&A業者に見積もりを依頼することで、相場をある程度把握することができるでしょう。

また、会社の売却価格はタイミングによって変わる場合があります。専門家に相談しつつ、売却するのに適切なタイミングを見極めることも重要です。

新規事業を立ち上げる場合は制限がかかる

会社売却後、新規事業を立ち上げる場合に制限がかかる可能性があることに注意が必要です。

会社を売却する際の契約に、競業避止義務が課される場合があります。競業避止義務とは、売却した会社の事業と競業する事業を、売り手側が再度行うことに対して制限を課すものです。

そのため会社売却後、事業を新しく始めたいと考えている場合、事業の業種や事業を行う地域などに制限が課される可能性があることに留意する必要があるでしょう。

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会社売却後の人生は売却価格を調べてから考える

会社売却後の人生については、会社の売却価格をある程度把握した後に考えることをおすすめします。会社の売却価格が、想定より低い額となってしまった場合、計画が崩れてしまう可能性があるためです。

会社の売却価格を調べた際に売却価格が低い場合、売却を一旦保留にするという選択肢も出てきます。会社をさらに成長させ売り上げを伸ばしてから売却することで、売却価格を上げられる可能性があります。

そのため、会社を売却することを確定させるのは、会社の売却価格を確認してからの方が良いと言えるでしょう。

会社売却後の人生について考えるのは、会社の売却価格を確認し、会社を売ることを決意してからでも遅くはありません。

会社の売却価格を調べたい場合、M&A一括見積もりを利用することをおすすめします。一括見積もりでは、まとめて複数の業者に会社売却価格の見積もりを出せるため便利です。

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会社売却後の影響は?会社・従業員・役員・取引先ごとに紹介

会社

会社売却後の会社への影響は、買い手によって、また交渉によって異なります。

多くの場合、会社自体は存続させられるでしょう。しかし、会社の経営方針や社風などはこれまでとは変わっていく可能性があります。

経営者が変わることにより、会社の経営が安定し、買い手企業とのシナジーにより事業が成長するケースもあります。

しかし、引き継ぎが上手くいかない、新しい経営方針との相性が悪い、などの要因により経営状況が悪化するリスクもあります。

こうしたリスクをできるだけ抑えるため、会社売却前後のPMI(統合プロセス)が重要となります。

M&Aのサポートを行う業者の中には、PMIに関するサポートを行ってくれる業者もあるため、利用を検討することをおすすめします。

従業員

会社売却後、従業員への影響は様々です。

売却前と変わらない条件で雇用が継続されるケースも多くあります。給与が増額するなど、雇用条件が良くなるケースもあります。

しかし、経営者が変わるために職場環境や雇用条件などに変化が生じてしまうことは避けにくいと言えるでしょう。

会社売却後の従業員の待遇について、買い手側との交渉条件に盛り込むことができる可能性があります。例えば、従業員の雇用の継続を売却の条件とする、といった契約を締結できれば、安心感が持てるでしょう。

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役員

会社売却後、役員の処遇について決定権を持つのは基本的に買い手側となります。そのため、役員報酬の減額や退職の勧告などマイナスの影響が及ぶ可能性があります。

会社売却後の役員の処遇について、交渉段階で決定できるケースもあります。

取引先

取引先との契約についても、基本的には買い手側が決めることとなります。

しかし、買い手側も取引先との契約継続を望むケースが多いでしょう。取引先との契約は、事業内容に大きく関わる場合が多いためです。

しかし、経営者が変わることによる経営方針の変化が、取引先にも影響を及ぼす可能性はあります。

また中小企業の場合、取引先との関係が前経営者個人との信頼関係の上に成り立っているケースもあります。経営者が退職することにより、取引先との関係や契約が変わってしまう可能性もあるでしょう。

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会社売却後の人生に関するよくある質問

会社売却で儲かる?金持ちになれる?

会社売却で儲かり、金持ちになれる可能性はあります。

しかし会社売却の金額は交渉によって決まるため、想定より低い金額になることもあり得ます。会社売却によって儲けるためには、事業を成長させ、波に乗ったタイミングで売却するなどの工夫が必要となるでしょう。

買収された会社の末路はどうなる?

買収された会社の末路は、買い手側によって異なります。買収後、事業が成長し会社が大きくなるケースもあります。

しかし買収後の経営が上手くいかず、倒産に繋がってしまうケースもあるでしょう。

会社を売却する際には、良い買い手を見極めることが重要と言えます。

会社を手放す・売却する理由は?

会社を売却する理由として多いものは以下の通りです。

  • 経営者が引退するため
  • 経営状況を改善するため
  • 経営者が売却金を入手するため
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この記事の監修者
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山本正樹
M&Aアドバイザー
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プロフィール
新卒で日本M&Aセンターに入社。そこから同業のベンチャーに転職して業界に4年間在籍。譲渡企業側の相談を多数経験。業種は拘らずに金融機関や士業等からの紹介が中心。
監修者の身元
専門ジャンル
M&A
この記事を書いた人
この記事を書いた人
「M&A相談窓口」ライティング部門