飲食店のM&Aは個人でもできる?売却相場や事例・メリットを解説
本記事のまとめ
  • 飲食店M&Aとは、飲食店の合併や買収を指す言葉
  • 飲食店M&Aは、個人店でも実現可能
  • 飲食店では、人手不足やコスト上昇などの課題をM&Aによって解決しようとする動きがある
  • 飲食店M&Aの売却価格はそれぞれの立地・顧客・将来性によって異なる
  • 自社の買取価格を知っておくためにもM&A一括見積の利用がおすすめ

なお、M&Aの仲介業者は多数存在しており、仲介が得意な業界や地理的エリアが大きく異なります。

そのため、どの仲介会社を利用するのかによってM&Aの売却額や成功に大きく影響することから、複数の会社で見積もりをとってみるのがおすすめです。

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飲食店M&Aとは?概要について紹介

以下では、飲食店M&Aとは何か、その概要を説明します。

総務省の分類によると、飲食店の定義は以下のようになっています。

飲食店とは,主として注文により直ちにその場所で料理,その他の食料品又は飲料を飲
食させる事業所をいう。

そしてM&Aとは、英語で「Mergers and Acquisitions」という言葉の略称です。日本語では「合併と買収」と訳されます。M&Aは、企業同士の合併や買収を指して用いられる言葉です。

そのため「飲食店M&A」とは、「飲食店の経営権の交代を売却・買収などにより行うこと」という意味です。

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飲食店業界の最新動向や特徴

以下では、飲食店業界の動向や特徴について解説します。

飲食店業界の動向や特徴

飲食店業界のM&A動向

近年の飲食店業界に、コロナ禍が与えた影響は大きかったと言えるでしょう。

コロナ禍の影響により、一時は業界全体の市場規模は大きく縮小しました。そのため、多くの飲食店が倒産や廃業に追い込まれ、M&Aに踏み切ることとなった飲食店もあります。

アフターコロナと呼ばれる現在では、飲食店業界の市場規模はコロナ禍期と比較して拡大してゆくと予想されます。そのため、飲食店業界への新規参入を目指したM&Aが活発化する可能性があるでしょう。

また、飲食店業界が抱える課題として、少子高齢化による人手不足や様々な要因によるコスト上昇があります。これらの課題点を、M&Aによって解決することを目指すケースが見られます。

山本正樹
山本正樹/M&Aアドバイザー【記事監修者】

飲食店が繁盛して店舗拡大をする際は、資金調達の観点から早くても1年で1~2店舗が限界です。
急速に店舗拡大する場合は、M&Aによって大手資本を活用するか、フランチャイズによる拡大が多いです。

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飲食店業界の特徴

飲食店業界の特徴として、以下の点が挙げられます。

以下では、それぞれの点について解説します。

流行りや経済動向などその時々の状況に左右されやすい

飲食店業界の特徴として、流行りや経済動向などその時々の状況に左右されやすい点が挙げられます。そのため先の見通しを立てることが難しく、飲食店業界の廃業率は比較的高いといえるでしょう。

中小企業庁の公式サイトによると、廃業率の最も高い業種は「宿泊業、飲食サービス業」となっています。SNSの普及により、流行り廃りのサイクルが短くなっていることが一つの要因と言えるでしょう。

また、円安などによる材料費高騰など、経済状況の影響を受けやすいことも飲食店業界の特徴です。

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開業のハードルが高い

飲食店には、開業のハードルが比較的高いという特徴があります。以下では、飲食店を開業するまでに必要なステップの例を紹介します。

  • 資金調達
  • 提供するメニューの準備
  • 物件調達
  • 店舗の工事
  • 必要な資格、許可などの取得
  • 従業員の確保 など

このように開業までのステップが多い点が開業のハードルを上げています。また、集客のため認知度を高めるため、開業前から計画や準備を進めることが必要となるでしょう。

店舗の立地が売り上げ客層に大きく影響する

店舗の立地が大切であるという特徴が、飲食店業界にあります。店の立地の重要性を表す言葉として、「立地7割」と言われる場合があることからも、その点が伺えるでしょう。

どんな料理を、どんな客層をターゲットに提供したいと考えているかによって、理想の立地条件は異なります。出店してから立地を変えることは難しいため、出店前によく調査を行い、計画を立てることが必要です。

M&Aによって良い立地にある飲食店を買収することを狙うケースがあります。その場合のM&Aの取引価格は、高額になる可能性が高いでしょう。

山本正樹
山本正樹/M&Aアドバイザー【記事監修者】

以前に対象の箇所で飲食店をしていたところが、赤字や経営がうまくいってない場合は、飲食店舗を安く引き継いで経営を行うことができます。
ただし、債務や従業員なども引き継ぐため開業コストは抑えられるもののトータルで考えると検討は必須です。

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開業時の投資・その後の維持コストが比較的大きい

飲食店業界には、開業費が比較的多くかかるという特徴があります。

日本政策金融公庫総合研究所が2022年に行った調査によると、新規開業した企業の開業費用の平均は1,000万円程度となっています。このことから、飲食店の開業費は安くないと言えるでしょう。ただし、同調査の中央値は550万円となっているため、開業費を1,000万円以下に抑えることができる場合もあると言えます。

また、開業費は飲食店の規模や立地により大きく異なります。

また、飲食店は維持コストが多くかかるという特徴もあります。維持コストの内、材料費や人件費が多くの割合を占めます。これらのコストは、売り上げが少なかったとしても掛かってしまうものなため、飲食店は赤字となるリスクを抱えていると言えるでしょう。

小規模の事業者・店舗が多い

小規模の事業者・店舗が多いという点が、飲食店業界の特徴です。

飲食店に関する情報を提供するサービス「ReCount」によると、飲食店の約85%が個店、もしくは小規模チェーン店となっています。

しかし近年のコロナ禍の影響などにより、小規模な飲食店の割合は低くなっています。また、少子高齢化により閉店となる小規模飲食店はこれからも増えてゆくと予想されます。

山本正樹
山本正樹/M&Aアドバイザー【記事監修者】

各地方自治体が、その地方の小さな飲食店の事業承継案件を扱っていることがあります。
地方の飲食店となる事業承継案件を引き継いで開業することも可能です。

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飲食店M&Aの目的|M&Aにより解決される課題とは?

飲食店M&Aによって、解決する可能性のある課題として以下のものが挙げられます。

後継者確保のため

飲食店M&Aの目的として、後継者を確保するというものがあります。少子高齢化による後継者不足は、飲食店業界においても課題と言えます。

作り上げてきた味を残したいという希望や、常連客の要望に答えたいという目的で、閉店を避けるためのM&Aが行われる場合があります。M&Aによって、買い手を見つけることができれば後継者問題の解決が可能となるでしょう。

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雇用の維持のため

従業員の雇用を確保するためにM&Aに踏み切る場合があります。

飲食店が廃業した場合、そこで働く従業員は職を失うこととなります。共に働いてきた従業員に対して、申し訳ないと思う経営者も存在するでしょう。

そのような場合にM&Aによって別の運営主体を確保することで、従業員の雇用が維持できる場合があります。従業員に限らずとも、取引先・顧客との関係がM&Aによって存続することもあります。

買い手企業にとっても経験豊富な従業員が獲得できることは大きなメリットとなりえます。

山本正樹
山本正樹/M&Aアドバイザー【記事監修者】

現実的には、従業員の雇用維持を主たる目的とした飲食店のM&A多くありません。今飲食業界は人手不足で、廃業してしまっても働き口は見つけやすいです。
従業員に申し訳ないと思う社長の思いと、その会社で働きたいと従業員は思ってくれているのかは必ず確認するようにしましょう。

事業の整理のため

飲食店M&Aが、事業の整理を目的として行われる場合があります。

M&Aの手法の一つとして、事業譲渡と呼ばれるものがあります。事業譲渡では、会社の一部もしくは全部の事業を売却することが可能です。

会社の事業である飲食店事業を売却することで、不採算である場合は飲食店事業を切り離したり、また飲食以外の力を入れたい事業に集中したりすることが可能です。

事業の整理を行うことで、会社の経営資源の分配の調整が可能となります。

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飲食店M&Aのメリット

飲食店M&Aのメリットについて、売り手側・買い手側それぞれの目線から解説します。

飲食店M&Aのメリット

売り手側

売り手側から見た飲食店M&Aのメリットとして以下のものが挙げられます。

  • 後継者が確保できる
  • 創業者利益の確保ができる
  • 保証から外れる
  • 事業の選択と集中が可能になる

従業員や顧客のために店をできるだけ長く続けたいと考える経営者もいるでしょう。M&Aにより後継者を見つけることができれば、飲食店の廃業を避けることができます。

加えて、廃業する場合、物件の原状回復のための工事が必要となる可能性があります。廃業を避けることができれば、工事費や退去費が節約できます。

さらに、売却価格によってはまとまった金額を手に入れることが可能です。得た売却益は自身の退職金に充てたり、次の事業を始めるための資金とすることができます。

また、売却益を負債の返済に充てる場合もあるでしょう。もしくは、飲食店と共に負債を買い手に引き継いでもらうことができるケースもあります。債務の保証人から外れることができれば、安心感を得られます。

事業の選択と集中が行える点もM&Aのメリットです。複数の事業を手がけている場合、M&Aによって不採算事業を切り離したり、力を入れたい事業に資源を集中投入することが可能となります。

山本正樹
山本正樹/M&Aアドバイザー【記事監修者】

飲食店は数は多いですが、M&Aの件数は店舗と比較して少ないです。
M&Aができる飲食店は社内の制度がそれだけ整っている証拠なので、M&Aの経験を生かしたコンサルビジネスにはつなげやすいですし、M&A時の競合避止義務の契約交渉ができれば違うジャンルの飲食店で再スタートするのはありでしょう。

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買い手側

買い手側から見た飲食店M&Aのメリットとして以下のものが挙げられます。

  • 0から開業する手間を省ける
  • 顧客獲得のコストを抑えられる
  • シナジー効果が得られる

飲食店業界に新規参入するためには、いくつかのハードルがあります。0から開業するためには、物件を用意したり、従業員を揃えたりする必要があるため、費用や手間が多くかかります。そうした手間や費用をM&Aによって抑えることが可能な場合があります。

また顧客獲得のためには、広告費用などの金銭面の負担のみでなく、知名度が上がるまでに時間がかかるといった時間的コストがかかります。既に顧客を抱えている飲食店を買収することで、そうしたコストを抑えられる可能性があります。また、立地条件の良い店を買うことができれば、売り上げが安定しやすいでしょう。

また、買収によるシナジー効果が期待できる場合もあります。仕入れの一本化などの工夫によりコストダウンが実現できるケースもあるでしょう。また、飲食店が持つ集客力を自社の既存事業に生かせるケースも考えられます。

飲食店M&Aのデメリット

飲食店M&Aのデメリットについて、売り手側・買い手側それぞれの目線から解説します。

飲食店M&Aのデメリット

売り手側

売り手側から見た飲食店M&Aのデメリットとして以下のものが挙げられます。

  • 契約によっては競業避止義務が生じる場合がある
  • 希望の条件で売れない可能性がある
  • 手続きに時間がかかる

競業避止義務とは、その事業と競業する行為を行ってはならないという義務です。飲食店を売却した場合、その地域では同じジャンルの飲食店を一定期間開店できない、といった義務が契約によって課される可能性があります。

仮に、飲食店M&Aを行ったのち別の事業を始めたいと思っている場合は、この点に注意を払う必要があるでしょう。

山本正樹
山本正樹/M&Aアドバイザー【記事監修者】

競合避止義務は基本的についてきますが、先方が同意さえしてくれれば無くすことは可能です。
これからやりたい飲食店のジャンルなども構想があれば、交渉をしてみるのはありでしょう。

また飲食店M&Aの際、売却価格などの条件が希望通りにならない可能性がある点に留意する必要があります。売却時の条件は交渉によって決まります。売却時の条件について譲れる点と譲れない点について自身の中で整理しておくことで、交渉をスムーズに行える可能性があります。

自分の希望する売却条件が適当であるかどうかについては、M&A仲介業者に相談してみることをおすすめします。

さらに飲食店M&Aには、手続きに時間がかかるというデメリットがあります。仲介業者に依頼する場合のM&Aにかかる期間は、一般的に半年から1年程度と言われています。もし買い手探しに難航した場合には、それ以上の期間がかかる可能性もあります。

加えて、売却後も引き継ぎのための時間がかかる可能性もあります。そのため、飲食店を売りたいと考えている場合、早めに準備を進めることをおすすめします。

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買い手側

買い手側から見た飲食店M&Aのデメリットとして以下のものが挙げられます。

  • シナジー効果が得られない可能性がある
  • 従業員が離職する場合がある
  • 技術・ノウハウを引き継げない場合がある

飲食店を買収した後、思ったようなシナジー効果が得られないという可能性があるため、注意が必要です。とりわけ飲食店業界では、先の見通しを立てることが難しい業界です。経済状況や流行を考慮にいれたうえで、M&Aによって獲得できる利点について慎重に検討する必要があるでしょう

またM&Aの際には、不安感を抱いた従業員が離職してしまう可能性があります。M&Aの目的が人材の獲得である場合、離職を防ぐための対策は必要となるでしょう。事前にM&Aについて説明し理解を得ることや、場合によっては賃上げなどのメリットを提示することで、離職を防ぐことができます。

飲食店業界には、属人的な要素が多くなりやすいという特徴があります。例えば料理を作る技術など、一朝一夕では引き継ぐことができないものもあります。

前オーナーの退職や従業員の離職により、そうした技術やノウハウを引き継ぐことができない可能性がある点に注意が必要です。売買契約の際に引き継ぎの期間について明示するなど、対策が必要となる可能性があります。

飲食店M&Aの譲渡(バイアウト)価格相場

個々の飲食店の状況や算出方法により飲食店の譲渡価格は異なります。そのため相場として具体的な価格を断言することは難しいです。

しかし参考程度のおおまかな相場を把握したい場合、「純資産+営業利益×3年分」を売却価格とする方法を用いることができます。

以下では、店の純資産を1,000万円とした場合の営業利益ごとの売却価格の目安を記載します。

営業利益 売却価格相場
100万円 1,300万円
500万円 2,500万円
1,000万円 4,000万円

しかし、上記はあくまでおおよその相場である点に注意が必要です。

実際の売却価格は、その飲食店の立地、認知度、将来性などを加味した上で交渉によって決められます。自分の飲食店の売却価格を詳細に知りたい場合、M&A仲介業者に見積もりを依頼することをおすすめします。

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飲食店M&Aの手法

飲食店M&Aの際に用いられる手法の例として、以下の3つについて解説します。

居抜き(造作譲渡)

飲食店M&Aの際に用いられる手法として、居抜きがあります。居抜きとは、店舗の立地、建物、設備をそのまま売却することを指します。飲食店の経営権に関しては引き継ぎません。また、従業員との雇用契約などに関しても引き継がれません。

居抜きで売却する場合、買い手が比較的見つかりやすく、手間や時間があまりかからないというメリットがあります。

しかし、居抜きは他の手法と比べ、売却価格が低くなる可能性が高い点や、飲食店を継承することができない点がデメリットと言えます。

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株式譲渡

株式譲渡が飲食店M&Aの際に用いられるケースがあります。株式譲渡とは、株式の売買により店の所有権(と経営権)を移行するM&Aの手法の一つです。

株式譲渡では、店舗のみではなく法人ごと譲渡することとなります。そのため店の有形資産に加え、店名を含む営業権や従業員との雇用契約などを包括的に譲渡します。

株式譲渡は、比較的手続きが簡単であるというメリットを持ちます。また、従業員の雇用の継続が可能である点や、店の存続が実現できる点もメリットとなるでしょう。

しかし株式譲渡を用いた場合、譲渡する資産を選ぶことができない点に注意が必要です。手元に残したい資産がある場合、後述する事業譲渡が適切である可能性があります。

事業譲渡

飲食店M&Aの手法の一つとして、事業譲渡があげられます。事業譲渡とは、会社の事業の一部もしくは全部を譲渡することです。

譲渡する事業を選択できる点が事業譲渡のメリットと言えます。飲食店の場合は、自社の飲食店事業を単体で譲渡するといった場合が考えられるでしょう。

そのため、飲食店事業で利益が出ていない場合はこれを切り離したり、メインである他の事業に集中するために飲食店事業を売却するといったことが可能です。

事業譲渡では譲渡する資産を選択することが可能ですが、これはメリットにもデメリットにもなり得る点です。手元に資産を残したい場合にはメリットとなります。しかし、負債などの手放したいものが手元に残ってしまうといったデメリットが生じる可能性もあるでしょう。

また、株式譲渡と比較して手続きが煩雑になりやすいというデメリットもあります。

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飲食店M&Aの流れ・手続き

以下では、飲食店M&Aを行う際の譲渡側の流れについて解説します。

飲食店M&Aを行う際の譲渡側の手順
  1. 仲介業者への相談、契約
  2. 買い手探し
  3. 交渉、トップ面談
  4. 基本合意
  5. デューデリジェンス
  6. 最終契約
  7. 引き継ぎ

M&Aにおいて「デューデリジェンス」とは、買い手側が譲渡側に対して行う企業の実態調査を指します。売却価格が適切かどうかを知るために行われます。

売り手側は交渉段階から自社の状況について正直に話しておくことで、デューデリジェンス後にも買い手との信頼関係を継続することが可能です。

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飲食店M&Aの注意点

飲食店M&Aの際に注意するべき以下の点について解説します。

M&A仲介会社に相談する

飲食店M&Aを成功させるため、M&A仲介会社に相談することをおすすめします。M&A仲介業者は、買い手探しや交渉、手続きに関するサポートを行ってくれます。

M&A仲介業者は、広いM&Aネットワークを持っているため、買い手候補の選択肢を増やしてくれます。自分だけでは探し切れなかった飲食店業以外の異業種の買い手を見つけてくれることもあるでしょう。仲介業者に依頼することでより条件の良い買い手を見つけられる可能性を上げられます。

また、M&Aの手続きは複雑で専門知識が必要となります。契約に不備があった場合に、不利益を被ってしまうリスクもあります。例えば店舗の土地の譲渡や、従業員の雇用契約の譲渡については、専門家の知識が必要になるでしょう。

仲介業者にサポートを依頼することで、手間やリスクを減らすことが可能です。

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自社の価値を正しく把握しておく

M&Aの際の注意点として、自社の価値を正しく把握しておく必要があるという点が挙げられます。

そうすることで、不当に安く買い叩かれてしまう事態や、希望価格を高くしすぎて買い手が見つからないといった事態を避けることができるでしょう。自分の飲食店の収益、顧客数、土地建物、ブランドなどの価値となる資産を正しく把握して、適正価格の目安をつけることが重要です。

またM&A仲介業者は、適切な売却価格や条件に関しての相談に乗ってくれます。自社の価値を知りたい場合には、仲介業者に見積もりを依頼することをおすすめします。

仲介業者への見積もりを行う際には、一括見積もりサイトを利用するのが便利です。

属人的な要素を可能な限り排除する

属人的な要素を可能な限り排除することで、飲食店M&Aの成功確率を上げられます。

飲食店における属人的要素の例として、一部の人しか知らない秘伝のレシピや、特殊な技術などがあるでしょう。特定の個人に、売り上げが依存していると判断された場合、買い手が見つかりにくかったり、売却価格が低くなってしまったりする可能性があります。

料理の作り方に関してマニュアルを作るなど、属人的な要素を排除する努力によって、M&Aが行える可能性が上がります。

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M&A成立までに半年~1年かかることを想定しておく

M&A成立までに半年~1年かかることを想定しておく必要があります。

買い手が見つかりにくいなどの原因により、それ以上の期間がかかってしまう可能性もあります。また、M&Aの際に選ぶ手法によっても手続きにかかる期間が変わります。

退職したいなど、M&Aを成立させたい時期が決まっている場合、かかる期間を逆算し早めに準備を始めることが必要です。

飲食店M&Aの過去の事例

以下では、飲食店M&Aが達成された過去の事例について紹介します。

売り手企業 業態など 買い手企業 売却価格
アイテム お好み焼き店「ごっつい」の運営など ホットランド 4.77億円
かわ屋インターナショナル 焼き鳥店「博多かわ屋」を運営 ジェイグループホールディングス 3.6億円
株式会社アクティブソース 「晩杯屋」を運営 株式会社トリドールホールディングス 約10億円
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飲食店M&Aに関するよくある質問

飲食店M&Aは個人でも可能?

飲食店M&Aは、個人でも譲渡側、譲受側共に可能です。

飲食店M&Aが個人でも可能である理由として、売買価格が比較的安価である点が挙げられます。飲食店は、小規模な店舗の割合が高いため、資産額や営業利益額が低い場合が多いと言えます。

そのため、個人間での売買が行われるケースがあります。また、個人経営の飲食店でも法人相手に譲渡がなされる場合もあります

飲食店M&A後の社長・オーナーはどうなる?

飲食店M&A後の社長・オーナーに関しては、契約内容によってどうなるか変わります。契約により、契約で定められた引き継ぎ期間中働き続けることを求められるケースがあります。また、契約により競業避止義務が生じ、新しく始める事業に制限が課せられる場合もあるでしょう。

しかし、契約次第ではすぐに次の事業や活動を始めることができる場合もあります。

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この記事の監修者
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山本正樹
M&Aアドバイザー
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プロフィール
新卒で日本M&Aセンターに入社。そこから同業のベンチャーに転職して業界に4年間在籍。譲渡企業側の相談を多数経験。業種は拘らずに金融機関や士業等からの紹介が中心。
監修者の身元
専門ジャンル
M&A
この記事を書いた人
この記事を書いた人
「M&A相談窓口」ライティング部門